人型ロボットの普及を支える新たな支援体制を整備
GMOインターネットグループ傘下のGMO AI&ロボティクス商事は9月8日、人型ロボットの運用を支える保守体制を拡充した。新たに専用車両を導入し、故障や予期しないトラブルが発生した際に技術者が利用現場へ出向く仕組みを構築した。
同社は、人型ロボットが本格的に社会へ広がる前の段階から保守対応の経験を蓄積する。販売だけでなく、導入後の運用を支える役割を事業の一部として位置付ける。
診断機器や交換部品を車載し現場復旧を支援
新たな車両には、ロボットの状態を確認する診断機器をはじめ、主要な交換部品や修理工具を備える。専門知識を持つ技術者も同行し、利用先で機体を確認して必要な作業を行う。
その場で復旧できる場合は現地で対応し、直ちに修理することが難しいケースでは搭載した代替機への交換も可能とした。修理のために長時間ロボットを利用できなくなる事態を避け、運用を継続しやすくすることが目的となる。
導入現場のデータを性能改善につなげるサービス開始
GMO AI&ロボティクス商事は同日、人型ロボットを導入した現場から得られるデータを活用する新たなサービスも始めた。実際の利用環境で蓄積された情報を、ロボットの性能向上につなげる取り組みだ。
人型ロボットは導入先によって求められる動作や使用条件が異なる。同社は現場で得た情報を二次開発にも生かし、それぞれの顧客環境に適した運用につなげる方針を示している。保守とデータ活用を並行して進めることで、導入後の支援を強化する。
製造ではなく販売や二次開発を事業の軸に展開
GMOは人型ロボットの製造を自社では手掛けていない。中国のロボットメーカー、宇樹科技と国内での販売代理店契約を結び、同社製品などを活用した事業を進めている。
重点を置くのは、顧客の現場に応じた二次開発や販売、リースといった領域だ。さらに今回、現地修理を行う仕組みを加えることで、導入から運用、保守までを支える体制を拡大した。GMO AI&ロボティクス商事の内田朋宏社長は、人型ロボットの社会での活用を支える立場に注力する考えを示している。
都心で運用実績を蓄積し地方への拠点拡大を計画
専用車両はまず東京都心で運用する。渋谷の研究拠点を中心に、現場まで1〜2時間程度で向かう体制を想定しており、現在の車両数は1台となっている。
今後は実際の利用状況や需要を踏まえながら保守対応の経験を重ねる。数年後には地方にも拠点を設置し、対応地域を広げる計画だ。人型ロボットの販売やリースだけでなく、故障対応と利用データの活用まで含めた支援体制を構築し、導入現場を支える事業を進める。