2027年4月から2年間限定で食料品税率を引き下げ
政府が自民党に示した税制改正大綱案では、物価上昇を受けた家計の負担軽減策として、2027年4月から2029年3月末までの2年間、食料品の消費税率を現在の8%から1%へ引き下げる。自民党は9月8日、税制調査会と社会保障制度調査会による合同会議で制度案を協議した。
減税期間中は、残る1%相当分についても中低所得者向けの給付に回す方針だ。税率変更だけでなく、現金給付や事業者支援、自治体への補填を含めた複数の措置を一体的に実施する内容となっている。
中小農家には売上高を基準とした給付制度を検討
食料品の税率変更に伴い、政府は中小規模の農家に対する支援措置も設ける。大綱案では、個々の農家の売上高を踏まえて給付額を決める仕組みを導入する方針が示された。消費税減税によって生じる影響を踏まえ、家計だけでなく生産者側への対応も盛り込む。
具体的な支給額や対象範囲については、元記事では明らかにされていない。ただし、一律の支援ではなく、それぞれの売上規模を基準に金額を設定する考えが明記されており、中小農家の事業状況に応じた給付制度を整備する方向となっている。
外食産業には省力化や持ち帰り対応を含む支援へ
外食産業も支援対象とする。大綱案では、省力化やテイクアウトへの対応などに触れたうえで、必要な支援を講じる方針が示された。食料品の税率変更が小売だけでなく飲食関連事業者にも関係することから、事業運営への影響を踏まえた措置を準備する。
一方、具体的な補助内容や支給条件については今回の案では示されていない。政府・与党は税率の引き下げを家計負担対策として進めると同時に、関連する事業者への影響にも対応する制度構成としている。
自治体の税収減は国が補填し社会保障への影響回避
消費税率を引き下げれば、地方自治体が受け取る税収にも減少が生じる。このため政府は、地方の減収分について国が補填し、自治体の財政運営に影響が出ないよう対応する。特に医療や介護などの社会保障サービスに影響を及ぼさないことを制度案に盛り込んだ。
小売店の価格表示についても特例を設ける。税込み価格を表示する「総額表示」は維持する一方、税率変更に伴う事業者の作業負担を考慮し、変更の前後それぞれを含む2カ月間を猶予期間とする方針だ。
減税と給付を組み合わせ9月15日の決定を目指す
家計向けには、食料品の減税と合わせて「就業者負担軽減支援金」を導入する。2027、28年度は消費税収1%相当分を給付原資として先行実施し、2029年度から規模を拡大する。さらに税率が8%へ戻る2029年4月には、半年分相当を基本とした給付を前倒しする方針だ。
自民党は週内にも大綱を取りまとめる予定で、政府は9月15日の閣議決定を目指している。今回の案は、食料品への期間限定減税を中心に、所得連動型の家計支援、中小農家と外食産業への対応、地方財政への補填を組み合わせた制度となっている。