天候不順の影響を受けながら高水準の生産を維持
2026年産の主食用米は、長雨や日照不足による影響を受けながらも、740万6000トンの収穫が見込まれている。農林水産省が10月13日に公表した推計では、前年を約1%下回るものの、過去10年間で2番目に多い生産量となった。
2025年産は746万8000トンを記録し、4年ぶりに700万トンを上回っていた。2026年産も700万トン台を維持する見通しで、2年連続して高い生産規模が確保される状況となっている。
一方、今年は梅雨期からの不安定な天候が稲の生育や収穫作業に影響した。農林水産省は、今後の調査で気象条件による影響を詳しく確認する方針だ。
梅雨期の長雨と日照不足が生育状況に影響
前年からの収穫量減少には、栽培期間中の気象条件が関係している。梅雨の時期に雨の日が続いたことや、十分な日照が確保されなかったことが、主食用米の生産量を押し下げる要因となった。
9月にも長雨が発生し、一部の地域では稲の刈り取りが予定より遅れた。日照不足の影響も重なり、収穫量を調べる作業が前年より遅れている地域がある。
ただし、9月25日時点の調査では、こうした天候不順による影響のすべてを把握できていない。調査日以降の雨による生育状況の変化や収穫作業の遅延については、今後の集計で反映されることになる。
備蓄米向けの生産再開も前年比減少の要因に
主食用米の収穫量が前年より少なくなる理由は、天候による影響だけではない。2026年産では、前年に生産されなかった備蓄用のコメが生産されることも、集計上の減少につながっている。
農林水産省が発表する740万6000トンは、主食用に分類されるコメの予想収穫量である。備蓄向けに生産される数量は、この主食用米の数字には含まれない。
そのため、前年との比較では、生育状況の変化に加えて生産用途の違いも考慮する必要がある。今回の6万2000トンという減少幅には、長雨や日照不足の影響と、備蓄米向けの生産分を除外する集計上の要因が含まれている。
刈り取り進捗約6割の段階で収穫量を算定
今回公表された予想値は、9月25日までに確認された実測データなどを使って算出された。同日時点では全国の収穫作業が約6割完了しており、刈り取ったコメの実測値や、稲についているもみの数などが推計の根拠となった。
ただし、地域によっては天候の影響で収穫調査が遅れている。刈り取りが進んでいない地域の状況や、その後の降雨による変化については、今回の推計に十分反映されていない。
農林水産省は、次回の調査を10月25日時点で実施し、その結果を11月中旬に明らかにする予定だ。この調査では、9月の長雨などによる影響を含め、収穫量の実態をより詳しく確認する。
最終収穫量の変動後も供給不足は想定しにくい
今後の調査で長雨の影響が明確になれば、2026年産の実際の収穫量が現在の推計を下回る可能性がある。農林水産省の担当者も、天候不順の影響が追加的に反映されることで、収穫量が下方修正される余地を認めている。
一方、今回示された740万6000トンは、9月に公表された国内需要の予測を少なくとも約30万トン上回っている。6月末の民間在庫も過去最高水準にあり、供給量には余裕がある状態だ。
同省は、収穫量が現在の予想より減少した場合でも、需要を満たせない状況には至りにくいと判断している。今後は11月中旬に発表される調査結果によって、天候不順が最終的な生産数量にどの程度反映されるかが明らかになる。