高知県内の倒産13件に増加も負債規模は縮小傾向
2026年4月から9月までの半年間に、高知県で発生した企業倒産は13件となった。負債1,000万円以上の企業が集計対象で、前年同期から1件増え、上半期の倒産件数は2年ぶりに増加した。
一方、県内で倒産した企業の負債総額は6億3,100万円にとどまり、前年同期から8億3,800万円減少した。減少率は57%に達し、倒産件数とは反対の動きとなった。
企業の経営破綻が増えているにもかかわらず、負債の合計額は前年の半分以下となっている。県内では倒産件数の増加と負債規模の縮小が同時に進んだことが、今回の統計で明らかになった。
負債5000万円未満が9件を占める県内の特徴
高知県内の倒産を負債額別に分類すると、5,000万円に満たない企業が9件に上り、全13件の過半数を占めた。倒産企業の多くが、比較的少額の負債を抱える事業者だったことが分かる。
残る4件のうち、負債5,000万円以上1億円未満の企業が2件、1億円以上5億円未満の企業が2件となった。10億円以上の負債を抱えた大型倒産は発生していない。
この負債額の分布は、県内の倒産が小規模な企業に偏っている状況を示している。前年同期と比較した負債総額の大幅な減少は、倒産件数の増減だけでは地域の経営状況を判断できないことも表している。
建設業が過半数を占め販売不振が最多の要因
高知県内の産業別倒産件数では、建設業が7件に上り、全体の半数を超えた。次いで製造業が2件となり、建設分野への集中が目立つ結果となった。
経営破綻の原因をみると、販売不振が10件で最も多かった。倒産した13社のうち大部分で、商品やサービスの売り上げが十分に確保できないことが問題となっていた。
県内の企業経営には、資材や人件費の値上がりに加え、金利の上昇も影響している。経営に余裕のない事業者が多いことから、小規模な企業の倒産が今後さらに増えることへの懸念が示されている。
全国では倒産5373件で負債総額も大幅増加
全国に目を向けると、2026年度上半期の企業倒産は5,373件となり、前年同期を3.8%上回った。前年同期比で増加したのは5年連続で、件数は2013年度上半期に次ぐ高い水準となった。
全国の負債総額は8,561億6,900万円で、前年同期から23.5%増加した。高知県が57%の減少を記録したのに対し、全国では負債額が増えている。
全国の負債額には、大阪市の決済代行会社「全東信」の破産が大きく影響した。同社の負債は1,151億6,400万円に達しており、こうした大型案件の存在が全国と県内の負債総額の動きを分ける要素となった。
地方と全国で異なる倒産動向と共通する経営負担
全国の業種別倒産では、飲食店などが含まれる「サービス業他」が1,828件で最多だった。建設業も1,035件に達し、労働力の不足と資材価格の上昇が経営を圧迫している。
高知県では建設業が倒産件数の過半数を占めており、全国でも同じ業種で多くの企業が経営破綻に至った。人材の確保や資材の調達にかかる費用は、地域を問わず企業の収益に関わる問題となっている。
さらに全国では、円安や中東情勢に伴う仕入れコストの上昇が指摘されている。価格転嫁が十分に進まない場合、倒産の増加につながることが懸念される。
高知県と全国の統計では負債総額の増減に違いがあるものの、いずれも倒産件数は前年同期を上回った。小規模事業者の経営悪化や物価上昇に伴う負担が、企業倒産をめぐる共通の課題として浮かび上がっている。