食品値上げが集中する9月に小売も対応強化へ
9月は調味料や冷凍食品を中心に4923品目の飲食料品が値上げされ、2026年では月別最多となる。帝国データバンクが主要食品メーカー195社を調査した結果で、平均の価格上昇率は11%に達する。前年9月と比較しても値上げ対象は3倍を超える。
生活に身近な商品の価格改定が相次ぐ一方、小売業界では一部商品を値下げする動きが目立ち始めた。物価上昇を受けて消費者の節約意識が強まる中、価格を抑えた商品を打ち出すことで来店客を確保する狙いがある。
日常的な調味料や冷凍食品に価格上昇広がる
9月の値上げで最大の割合を占めるのは調味料で、対象は1959品目となる。しょうゆやつゆ、たれなどでは9月1日納品分から約2〜22%引き上げられる商品がある。冷凍食品を含む加工食品も1848品目に上り、一部では約2〜17%の価格改定が実施される。
このほか、酒類・飲料も466品目が対象となる。家庭で頻繁に購入するカテゴリーに価格上昇が集中していることから、食品全般の支出への影響が広がる形となる。
コスト増重なる中でメーカーが価格転嫁進める
食品メーカーの価格改定には、原材料費や物流費、人件費の上昇、円安などが影響している。これに中東情勢の悪化に伴う原油高が加わり、包装資材などの調達コストにも負担が広がった。
こうした費用増加を商品価格へ反映する動きが進んだことで、9月の値上げ品目は今年最大規模となった。10月についても3000品目を超える値上げが見込まれ、2026年の年間累計では2万品目を上回る見通しとなっている。
イトーヨーカ堂とイオンが値下げ策を展開
値上げが続く一方、大手スーパーは価格を引き下げる施策を相次いで打ち出している。イトーヨーカ堂は9月1日から、ヨークフーズやヨークマートなどを含む全国196店舗で、カップ麺や調味料、冷凍食品、洗剤など100品目以上を値下げする。対象商品を毎月入れ替えながら当面継続する方針だ。
イオンも9月2日からプライベートブランド「トップバリュ」の最大145品目を期間限定で値下げする。店舗によって価格や商品は異なるが、シチューは約30円、5袋入りのうどんは約40円引き下げる例が示されている。商品設計の見直しや物流効率化によるコスト削減を反映し、最長29日間実施する。
値上げと値下げが並行する秋の食品市場へ
食品メーカーによる価格改定が続く中、小売各社には価格に敏感になった消費者への対応が求められている。一部の外食店やコンビニでも客数確保を目的とした値下げがみられ、食品を巡る価格戦略は一方向ではなくなっている。
帝国データバンクは、中東情勢を背景とした値上げの波がピークを迎えているとしている。ただ、10月も3000品目超の価格改定が予定されており、消費者にとって食品価格の上昇が続く状況に変わりはない。値上げと販売価格を抑える取り組みが同時に進む秋となる。