燃料価格上昇が料金改定に影響
大手電力10社と都市ガス大手4社は5月28日、6月使用分の電気・ガス料金を公表した。電気料金は10社のうち9社で上がり、都市ガス料金は4社すべてで上昇する。中東情勢の悪化により原油価格が上がり、燃料費の増加が料金に反映された。
今回の料金改定では、電気料金の上昇幅が前月より拡大した。前月は8〜24円の範囲だったが、6月使用分では25〜91円に広がった。燃料価格の変動が各家庭の請求額に表れ始めており、エネルギー費用の動向が生活費に直接関係する局面となっている。
電力9社で25〜91円の上げ幅
家庭向け電気料金では、東京電力が28円上昇して8823円となった。中部電力は36円高の8519円、料金が最も安い九州電力も25円上がり7606円となる。
最も高い水準となったのは北海道電力で、9533円だった。関西電力は燃料費の変動を料金に反映できる上限に達しているため、今回も横ばいとなる。関西を除く各社で値上がりがそろい、電力料金を取り巻く環境は燃料価格の影響を強く受けている。
ガス料金も4社すべて上昇
都市ガス料金では、大手4社すべてが前月より値上げとなる。上昇幅は20〜24円で、東京ガスは24円高の5795円となった。4社の中では東京ガスが最も安く、東邦ガスが6617円で最も高い。
都市ガスも電気と同じく、燃料価格の平均を一定期間後に料金へ反映する仕組みだ。原油価格の上昇は液化天然ガス価格にも影響し、ガス料金の上昇要因となる。電気とガスの両方が上がることで、標準家庭のエネルギー負担は広い範囲で増す。
7月以降の料金上昇も懸念
電力、ガス各社の料金は、2〜4カ月前、または3〜5カ月前の燃料価格を基に決まる。4月の原油輸入単価は前月の1.5倍に高騰した。今回の値上がりはその影響の一部であり、今後も段階的に料金へ及ぶ可能性がある。
液化天然ガス価格の上昇も見込まれている。発電や都市ガス供給に使われる燃料の価格が上がれば、家庭向け料金にも反映される。7月使用分以降についても、料金がさらに上がる懸念が示されており、燃料価格の推移が注目される。
7〜9月分に計5000円程度を支援
政府は、夏場の電力需要増加に対応するため、7〜9月使用分の電気・ガス料金に補助を行う。標準家庭では計5000円程度の支援を見込む。冷房利用が増える時期に合わせ、家計への負担を抑える狙いがある。
政府はエネルギー高騰対策を盛り込んだ令和8年度補正予算案を編成し、来週にも国会へ提出する方針である。昨夏に実施した支援と同様の枠組みを用い、料金水準を抑える考えを示している。燃料高による料金上昇と補助制度の実施が、夏場の家計対策の中心となる。