震度7の揺れが九州各地を直撃
7月28日午後4時27分ごろ、熊本県熊本地方でマグニチュード7.1と推定される地震が起きた。震源は地下約16キロで、熊本県宇城市と氷川町では最大震度7に達した。熊本市南区、八代市、宇土市、熊本美里町、益城町では震度6強を観測し、長崎県や鹿児島県でも震度5強の揺れとなった。
気象庁は一時、有明海と八代海を対象に津波注意報を出した。また、高層建築物などを長く揺らす長周期地震動が発生し、八代市と宇城市では最も大きい「階級4」を記録した。午後8時までには震度7を含む震度5弱以上の地震が計4回確認され、強い揺れが繰り返した。
鉄道と空港で運行停止が相次ぐ
JR九州は地震発生後、新幹線と在来線を含む全線で一時運転を止めた。九州新幹線の車内や新八代駅にいた利用者ら計13人が負傷した。線路や駅設備の安全確認が必要となり、広い範囲で移動に影響が及んだ。
熊本空港でも滑走路が一時閉鎖された。航空機の運航に必要な設備や路面の状態を確認するための措置で、地震直後の交通網は大きく制限された。鉄道と航空の停止により、被災地域への移動や地域外への避難にも支障が生じる状況となった。
高速道路で亀裂や段差を確認
NEXCO西日本によると、九州地方の高速道路では路面の段差やひび割れが複数箇所で見つかった。安全を確保するため一部区間が通行止めとなり、道路管理者が被害の確認を続けた。一般道路でも建物の壁や資材が崩れ、破片が散乱した場所が確認された。
道路の損傷は救急車両や消防隊の移動にも関係するため、通行可能な経路の確保が重要となる。消防庁は周辺地域から緊急消防援助隊を派遣し、先行する約500人に加えて別の県へも約500人の出動を要請した。計1000人規模の態勢で、救助活動と火災対応を進めている。
携帯基地局被災で一部通信障害
携帯電話各社の基地局にも地震による被害が発生した。NTTドコモは熊本県八代市の一部で、KDDIと楽天モバイルは八代市と人吉市の一部で通信サービスに障害が生じている。総務省は人命救助と並行して、通信環境を早期に回復させるよう関係部門へ指示した。
ソフトバンクのネットワークには影響が確認されていない。同社は、災害時に利用者が契約先とは異なる通信会社の回線へ接続できる「JAPANローミング」を通じ、他社利用者を受け入れているとみられる。連絡手段の維持は、住民の安否確認や避難情報の伝達に欠かせない状況となっている。
生活基盤の確認と避難対応続く
九州電力は、佐賀県の玄海原子力発電所と鹿児島県の川内原子力発電所について、異常は確認されていないと発表した。一方、熊本県内では火災や住宅倒壊が発生し、嘉島町のイオンモール熊本では爆発後に建物の一部が崩れた。日本製紙八代工場でも煙突が倒れ、複数人が救助を必要としている。
熊本県では4万6610世帯、9万2743人に緊急安全確保が発令された。避難指示は熊本県と長崎県の合計で9万5888世帯、19万6527人に及び、消防庁は熊本、長崎、福岡の7市町で一時約21万7000人が対象になったとしている。行政機関と交通・通信事業者は、余震への警戒を続けながら設備の点検と生活基盤の復旧を進めている。