最高値から1か月余りで1万円超の下落幅に
日経平均株価は7月28日、大幅に反落し、前日比2566円27銭安の6万2364円92銭で取引を終えた。6月25日に記録した終値の史上最高値7万2366円34銭と比べると、下落幅は1万円を超えた。最高値の更新から1か月余りで、相場の流れが大きく変化したことになる。
28日の終値は約2か月ぶりに6万3000円を割り込み、日中の下落幅は一時3000円を上回った。日経平均の下落率は3.95%となり、指数への影響が大きい銘柄を中心に売却が加速した。急速に上昇してきた半導体関連株の値下がりが、最高値からの調整を深めた。
AI関連投資への懸念が売り注文を誘発する形
市場では、AI関連事業に投じられる資金が過大ではないかとの懸念が強まった。前日の米国市場では、半導体大手エヌビディアなどが下落し、その影響が翌日の東京市場へ持ち越された。AI需要の拡大を背景に買われてきた企業が、一転して売りの対象となった。
エヌビディアが米オープンAIのデータセンター事業に対し、巨額の信用保証を検討しているとの報道も投資家心理を冷やした。保証の提供に伴う財務負担への不安が広がり、米国の半導体銘柄から資金を引き揚げる動きにつながった。日本市場でも同じ分野の株式を保有する投資家が売却を進めた。
中国勢との競争激化も新たな警戒材料に浮上
半導体市場では、AI投資の採算性だけでなく、中国企業との競争が激しくなるとの見方も重荷となった。供給能力や技術開発を巡る競争が拡大すれば、既存企業の収益環境にも影響を与えるとの警戒が広がった。こうした見方が、日本の大手半導体関連企業への売りを強めた。
東京エレクトロンとアドバンテストは大幅に値を下げ、キオクシアホールディングスはストップ安となった。この3社だけで日経平均を1600円以上引き下げた。半導体株の動きが指数全体に与える影響の大きさが、改めて示された。
TOPIXも下落し市場全体への重圧が拡大
半導体関連企業の比重が大きい日経平均だけでなく、東証市場全体の値動きを示すTOPIXも下落した。終値は前日より102.48ポイント安い3963.59で、下落率は2.52%となった。指数の下落は一部の値がさ株だけでなく、市場全体に売りが広がったことを示している。
韓国や台湾でも半導体関連株の売却が膨らみ、それぞれの主要株価指数が大幅に値下がりした。両市場も半導体企業が指数に占める割合が高く、米国市場の動向を受けやすい構成となっている。28日は米国、日本、韓国、台湾をまたぐ形で関連銘柄の下落が続いた。
半導体偏重が映し出した株価変動の大きさ
28日の東証プライム市場では約3割の銘柄が上昇し、株式市場全体が一様に売られたわけではなかった。中東情勢を巡る緊張が弱まるとの期待から原油先物価格が下落し、小売り、空運、食料品などが買われた。エネルギー価格の低下が経費削減につながる業種には、相対的に資金が流入した。
それでも日経平均が2500円を超えて値下がりしたのは、半導体関連の主要銘柄が指数に与える影響が大きいためだった。上昇相場を支えた企業への売買が反転すると、指数の変動も増幅される構造が表れた。最高値から1万円以上下落した今回の局面は、半導体株の値動きが東京市場の方向性を大きく左右している状況を示した。