中東対応の補正予算案が衆院で可決
中東情勢への対応を盛り込んだ2026年度補正予算案は、6月4日の衆議院本会議で採決され、賛成多数により可決された。予算案は参議院へ送られ、6月5日に参議院予算委員会で審議された後、本会議にかけられる見通しである。衆議院では国民民主党なども賛成に回ったため、参議院で採決されれば成立する可能性が高い。
今回の補正予算案は、一般会計の歳出総額が3兆1135億円となっている。中心となるのは、2兆5000億円の「中東情勢等対応予備費」の新設である。政府は、中東情勢の不透明化によるエネルギー価格や物価への影響に機動的に対応するため、予備費を確保する必要があると説明している。
予備費の規模に批判相次ぐ
衆議院本会議の討論では、予備費の比重をめぐる与野党の主張が分かれた。中道改革連合は、補正予算案の大部分が予備費で構成されている点を問題視し、国会による具体的な審査を十分に経ないまま巨額の支出を政府に委ねる内容だと批判した。福重隆浩氏は、総額のうち97%が予備費で占められているとして、合理性を欠くと訴えた。
一方、自民党側は、中東情勢に関する必要な施策を迅速に実施するための予算だと主張した。石原正敬氏は、情勢変化に臨機応変に対応する姿勢を示すものだと述べ、現実的で適切な内容だと強調した。採決では、自民党と日本維新の会に加え、国民民主党、チームみらいなどが賛成した。
ガソリン補助に柔軟対応
高市早苗首相は、ガソリン価格を1リットル当たり170円程度に抑える政府支援について、今後の見直しに含みを持たせた。衆議院予算委員会で、与野党から支援の持続可能性を重視すべきだとの意見が出ていると説明し、支援単価を含めて柔軟に検討すると述べた。政府は、国民生活を守ることを前提に、価格動向や中東情勢を見ながら対応を判断する姿勢を示した。
ガソリン補助は、エネルギー価格の上昇が家計や企業活動に及ぼす影響を和らげるための政策である。ただし、補助を長期に続ければ財政負担も増えるため、支援水準の維持と制度の持続性が論点となっている。今回の答弁は、現在の支援枠組みを固定せず、今後の情勢次第で調整する考えを示したものと位置付けられる。
消費税減税は議論継続
食料品の消費税減税をめぐっては、高市首相が慎重な答弁を行った。首相は、衆議院選挙の公約で食料品の消費税率ゼロの実現に向けた検討を掲げたことに触れ、公約を実現したい強い思いがあると述べた。一方で、超党派の「国民会議」で課題克服に向けた議論が続いているとして、結論を先取りしない考えを示した。
首相は、夏に結論が得られれば、秋に想定される臨時国会などで税法改正案をできるだけ早く提出したいとの意向も示した。国民民主党からは、農業者などに与える影響への対応を求める声が出た。首相は、関係団体や事業者への聞き取りを踏まえ、影響を受ける人への支援策も検討すべきだと述べた。
参院審議で成立見通し
補正予算案には、中東情勢による物価高やエネルギー価格上昇への備えが盛り込まれている。政府は、必要に応じてタイムリーに対策を講じるための予算措置だと説明している。低所得者や子育て世帯への新たな給付については、昨年度補正予算の早期執行や電気・ガス料金支援などを進めているとして、現時点で追加の予算措置は考えていないとした。
反対した政党からは、予備費中心の編成や具体策の乏しさに対する批判が出ている。中道改革連合、参政党、共産党、れいわ新選組などは反対に回った。参議院では立憲民主党と公明党も反対する方針だが、衆議院で複数の政党が賛成したことから、6月5日に成立する見通しとなっている。