米軍が海峡で大規模な軍事・護衛作戦を展開
米軍が9月1日、ホルムズ海峡周辺で軍事施設への攻撃と商船護衛を組み合わせた大規模な作戦を実施した。作戦に詳しい米当局者によると、戦時下のホルムズ海峡における米軍の行動としては過去最大規模となり、空や海など幅広い戦力が投入された。
米軍は海峡周辺のイラン側施設を攻撃すると同時に、原油を積載した多数の商船を防護した。石油輸送の維持を図りながら、船舶を攻撃するイラン側の軍事能力を低下させることが作戦の中心となっている。
防空施設など約60カ所を攻撃対象に設定
米当局者によると、9月1日の軍事作戦ではホルムズ海峡周辺の約60カ所が攻撃された。対象には防空関連施設、レーダーシステム、海上戦力、機雷敷設設備、通信施設などが含まれ、イラン側が海峡を利用して船舶を攻撃したり監視したりする能力の低下を狙ったという。
トランプ米大統領も9月2日、今回の攻撃について、レーダーだけでなく海峡を通る船舶を追跡する能力を排除する目的があったと説明した。沿岸部の施設を攻撃すると同時に、接近する攻撃から船舶を守る能力を米軍が示したとの立場を表明している。
商船40隻と原油1800万バレルを護衛
軍事施設への攻撃と並行し、米軍は商船40隻を護衛してホルムズ海峡を通過させた。これらの船舶が運んでいた原油は合計約1800万バレルで、戦争開始前に海峡を1日に通過していた約2000万バレルに近い規模となった。
護衛作戦ではイラン側のドローンによる攻撃への対応も行われた。米当局者は、作戦中に対艦巡航ミサイルを無力化したとも説明している。米政権は商船の安全確保を進めることで、世界のエネルギー供給にとって重要な航路を維持する方針を明確にしている。
港湾封鎖と海峡防衛を組み合わせ圧力強化
トランプ政権は、ホルムズ海峡周辺の軍事目標への攻撃、商船護衛、イラン港湾への海上封鎖を組み合わせている。米当局者によれば、この戦略ではイラン指導部に対する経済的な圧力も強化しており、米中央軍の戦力は海峡への対応と港湾での石油輸出入阻止に重点的に投入されている。
米当局者の1人は、米国による封鎖の影響でイランが7月以降、石油を輸出できていないと説明した。一方、イランの核開発計画に関係する施設への対応など、これまで掲げていた別の優先課題については当面、実質的に後順位となっているという。
航路の安全性を巡りエネルギー市場の警戒続く
9月1日の作戦について米当局者は成功したとの認識を示しているが、紛争の早期終結が迫っているとはみていない。エネルギー企業も米軍の護衛がある状況でなお、ホルムズ海峡を航行することに伴うリスクを警戒している。
トランプ氏は米国が海峡の支配権を維持していると主張する一方、業界関係者やアナリストからは航路を完全に管理できているとの説明を疑問視する見方も出ている。エネルギー価格は高い水準が続き、世界の債券市場も不安定な動きを見せており、海峡を通る原油輸送を安定的に維持できるかが重要な焦点となっている。