海外市場への展開でChatGPT広告の基盤を拡張
米OpenAIがChatGPTを使った広告サービスの海外展開を広げている。8月31日からインド、欧州、中東・北アフリカの広告主が広告管理サービス「Ads Manager」を利用できるようになり、各地域からChatGPT広告を直接購入することが可能になった。
広告サービスは2026年初めに米国で試験運用が始まり、その後、広告を出稿する企業や対象市場を順次拡大してきた。こうした動きを背景に、広告事業の年換算売上高は10億ドル、約1600億円に達した。
中堅・中小企業の利用増加が広告成長を下支え
OpenAIによると、Ads Managerの導入によって中堅・中小企業からの利用が広がっている。現在では、こうした企業がChatGPT広告の事業規模を支える重要な広告主層になっているという。大企業だけでなく幅広い事業者が利用できる販売環境を整えたことが、広告主の裾野拡大につながっている。
ChatGPT広告を利用している広告主は数万社に達している。米国でのサービス開始から200日足らずで年換算10億ドル規模まで成長しており、広告商品の販売拡大が短期間で進んだ形だ。
米国外の広告売上比率も拡大し市場構成が変化
OpenAIは、米国外に拠点を置く広告主から得る売上高の割合も増えていると説明している。ただし、海外広告主が全体に占める具体的な割合や地域別の売上額については明らかにしていない。
今回、Ads Managerの提供地域にインド、欧州、中東・北アフリカが加わったことで、米国外で広告を購入できる企業の範囲はさらに広がった。OpenAIは広告事業を米国中心のサービスから複数地域を対象とする事業へ広げ、収益源の地域的な分散を進めている。
10億ドル到達も年間目標との差が焦点に浮上
広告事業は急速に拡大しているものの、年換算10億ドルという水準を巡っては別の見方も示されている。市場調査会社イーマーケターのAIアナリスト、ネート・エリオット氏は、成長自体を高く評価する一方、OpenAIが掲げる2026年の広告収入目標25億ドルとの差を指摘した。
OpenAIは4月、米国で広告の試験運用を開始してから6週間で年換算売上高が1億ドルを突破したと発表していた。その後10億ドルまで拡大したものの、年間目標との関係では今後の売上拡大が引き続き焦点となる。
広告事業を収益の柱へ育成し上場準備を進展
ChatGPTの週間利用者は10億人を超え、その多くが無料プランを利用している。現在、広告は無料プランと低価格帯のGoプランに表示されており、OpenAIは質問内容と関連する情報を提示する一方、広告がAIの回答自体に影響することはないとしている。
OpenAIは広告を個人向け課金や企業向けサービスと並ぶ収益分野に育てる方針だ。同社は2026年にIPOに向けた非公開申請を米国で行い、2027年またはそれ以前の上場を目指していると報じられている。広告市場ではAlphabetやMetaが大きな収益基盤を持つ中、OpenAIは海外市場と幅広い広告主を取り込みながら新たな広告事業の構築を進めている。