海外ユニクロが連結業績を押し上げる成長の中心に
ファーストリテイリングの2026年8月期決算では、海外ユニクロ事業がグループ全体の収益拡大を主導した。海外事業の売上収益は前期比26.2%増の2兆4111億円となり、国内ユニクロ事業の1兆848億円を大きく上回った。
海外事業の営業利益は44.9%増の4481億円となり、売上収益の伸び率を上回る増益を達成した。日本を含む全地域で増収増益となり、複数の市場で販売規模が拡大した。連結売上収益は3兆9633億円、純利益は5425億円に達した。
グループ全体では5期連続で最高業績を更新した。純利益についても6年連続で過去最高となり、海外展開の拡大が業績に反映された。
欧州と北米の売上比率が36%に達する地域構成の変化
海外ユニクロ事業の中でも、欧州と北米は高い売上成長率を示した。欧州の売上収益は前期比38.7%増の5126億円、北米は34.6%増の3649億円となった。両地域の売上収益を合わせると8775億円に達する。
海外ユニクロ事業に占める北米と欧州の売上比率は36%となった。これまでアジア市場への依存度が高かった事業構成は、欧米市場の拡大によって変化している。欧州では地域別で最も高い売上成長率を記録した。
アジア地域も引き続き成長している。韓国・東南アジア・インド・豪州の売上収益は30.7%増の8094億円、グレーターチャイナは11.3%増の7240億円となった。海外の各地域が増収を達成し、収益源の地域的な広がりが確認された。
国内では定番商品と流行商品の販売が売上を支える
海外市場の拡大が目立つ一方、日本国内でもユニクロの販売は堅調だった。国内事業の売上収益は前期比5.7%増の1兆848億円となり、営業利益は6.6%増の1966億円を確保した。既存店売上高は5.1%増加した。
商品別ではウルトラストレッチパンツやUVカット商品など、日常生活で使いやすい機能性衣料が好調だった。バレルパンツのような流行を反映した商品も販売を伸ばした。こうした商品群が国内事業の増収に寄与した。
ユニクロは日常着を重視する「ライフウエア」の考え方を展開している。国内市場では幅広い世代に浸透し、シェアは1割を超える。国内で確立した商品展開と並行して、海外でも販売網を広げている。
世界の衣料品大手との売上競争で順位が変動
ファーストリテイリングの売上収益は、H&Mの2025年11月期売上高に相当する約3兆6000億円を上回った。アパレル専門店の売上高では世界2位となり、2016年にギャップを抜いて世界3位となって以来、順位をさらに上げた。
世界首位のインディテックスは、ZARAを中心に約7兆円の売上高を持つ。店舗数は約5500店で、ファーストリテイリングの約3500店を上回る。一方、ファーストリテイリングは新型コロナウイルス禍以降、2桁の売上成長を続けてきた。
ネット通販を中心に展開するSHEINも大きな事業規模を持つ。2025年12月期の売上高は約6兆5000億円だったが、2026年1~6月期は売上高の伸び率が1.0%となり、営業利益は52.9%減少した。米国と欧州で小口輸入の免税制度が撤廃されたことが業績を圧迫した。
次期売上高4兆4500億円を目指す海外展開の継続
ファーストリテイリングは2027年8月期の連結売上収益を4兆4500億円と見込んでいる。前期から約5000億円の増収を計画し、伸び率は12.3%となる。営業利益は8300億円、純利益は5600億円を予想した。
柳井正会長兼社長は世界最大のアパレル企業を目指す方針を掲げている。現時点ではインディテックスとの売上規模に大きな開きがあるものの、ファーストリテイリングは欧米とアジアで事業を拡大してきた。
国内ユニクロの成長を維持しながら、海外市場の売上収益を伸ばす事業構造が鮮明になっている。次期決算では連結売上高が4兆円を超える計画となり、海外ユニクロ事業が引き続きグループの成長を担う。