1~8月の倒産7199件で前年同期を大きく上回る
2026年1~8月の全国企業倒産は累計7199件となり、前年同期を489件上回った。8月だけでも827件が発生し、前年同月比で76件、10.1%増加している。前年同月を上回る状態は3カ月続き、この推移が続けば年間では2年連続で1万件を超える見込みとなっている。
8月の件数は1000件を超えた6月、7月からは減少した。しかし、8月として800件を超えたのは2012年以来14年ぶりであり、企業倒産が高水準にある状況は変わっていない。企業を取り巻くコスト上昇が倒産動向にも表れている。
円安関連の倒産増加で輸入コストの負担重く
2026年の円相場は年初以降、1ドル=155~160円台で推移する期間が長く、円安による負担が企業経営に影響している。1~8月の円安関連倒産は56件に達し、前年同期の45件から11件増加した。特に6~8月の3カ月間では25件が発生した。
円安だけでなく、原油価格や資源価格の上昇も輸入コストを押し上げている。4月以降は輸入物価指数の伸び率が輸出物価指数を上回る状況が続き、原材料やエネルギーなどを海外から調達する企業の収益を圧迫している。
価格転嫁率39.9%に低下し収益確保が難航
帝国データバンクの調査によると、コスト上昇分を販売価格へ移せた割合を示す価格転嫁率は39.9%となった。2026年2月の前回調査では42.1%だったため、半年間で2.2ポイント低下したことになる。値上げまでにかかる期間は以前より短くなっているものの、仕入れ価格の上昇速度には追いついていない。
企業が商品やサービスの価格を引き上げても、増加した費用をすべて吸収できているわけではない。十分な転嫁ができない企業ほど利益率が低下し、資金繰りも厳しくなる。物価上昇への対応力が企業ごとの差として現れている。
負債額も前年を上回り大型倒産が複数発生
8月の倒産による負債総額は1406億9200万円となり、前年同月の1129億3600万円から24.6%増加した。前年同月を上回るのは6カ月連続で、企業倒産に伴う負債規模も拡大している。8月には100億円を超える大型倒産が4件発生した。
ゴルフ場運営の東京グリーンは負債155億円を抱えて破産した。また、ゲームアプリ開発などを行っていたオッドナンバーも、107億2700万円の負債を抱えて破産した。業種別ではサービス業223件、建設業182件、小売業178件の順に件数が多かった。
物価と金利の同時上昇が今後の事業継続を左右
企業にとっては仕入れ価格の上昇だけでなく、借入金利の上昇も新たな負担となっている。金利が上がることで融資に伴う支払利息が増え、コストを価格へ十分転嫁できない企業ではさらに収益が圧迫される。実際に、金利負担が大きくなっているとの声も企業から寄せられている。
9月には食品の値上げが4900品目を超え、物価上昇への警戒も続いている。さまざまな経費が増加する環境では、コストを適切に販売価格へ反映し、収益を維持する能力が事業継続に直結する。年間1万件超が見込まれる倒産動向は、企業経営を取り巻く厳しい環境を示している。