県議の動画発信を巡り議長が厳重注意
兵庫県議会の北野実議長は7月27日、地域政党「躍動の会」に所属する増山誠県議に対し、ユーチューブ上で公開した内容に問題があったとして、口頭による厳重注意を行った。岡毅副議長も同席し、注意は公開されない形で伝えられた。
厳重注意の対象は、自民党県議団内の無記名投票を巡って公開された動画である。北野氏は、確かな根拠を確認できない状態で議員ごとの判断を伝えた発信について、県民の理解を混乱させ、議会全体の信用を傷つける行為だと判断した。
給与減額条例案を巡る会派内投票が発端
自民党県議団は6月定例会の期間中、斎藤元彦知事の給与を減額する条例改正案について、所属議員を対象とした無記名投票を行った。増山氏は6月10日、投票終了後に動画を公開し、条例案の扱いに関する各議員の判断を実名とともに伝えた。
無記名で行われた投票であるにもかかわらず、特定の議員がどのような選択をしたかを示す内容だった。神戸新聞の記事によると、動画では条例案を継続審議とする判断に関与したとされる議員名が紹介され、その後、投稿自体は削除された。
自民党県議団が根拠の提示と訂正を要求
動画の投稿後、自民党県議団は増山氏に公開質問状を送り、議員名を示した根拠と情報の入手経路を明らかにするよう求めた。あわせて、発信内容を修正するよう要求した。
増山氏は文書で謝罪したものの、情報提供者を明らかにしない立場を示し、具体的な情報源の説明には応じなかった。自民党側が求めた検証可能な根拠が示されなかったことから、発信内容の信頼性や、議員名を公表した判断の妥当性が議会内で問題となった。
政治倫理条例に照らし再発防止を要求
北野議長は、議員としての品位を保ち、他の議員の評価や県議会への信頼を損ねてはならないとする県議会の政治倫理条例を踏まえ、今回の発信を問題視した。動画配信は広範囲に情報が届くため、発信者には事実関係を十分に確認する責任があるとの考えも示した。
増山氏は過去に、県議会調査特別委員会の非公開情報が外部に伝わった問題を巡り、問責決議を受けている。北野氏はその経緯も考慮し、同様の事態を繰り返さないよう強く求めた。
増山氏は注意を受け入れつつ判断に疑問
増山氏は報道陣に対し、議長から厳重注意を受けたことについては受け止めると述べた。一方で、自らの発信のどの部分が議員としての品位や他者の評価を損ねたと判断されたのかについて、明確ではない点が残るとの認識を示した。
今回の措置を通じ、議員が動画投稿サイトで政治に関する情報を発信する際の事実確認の在り方が課題として浮かび上がった。県議会は、裏付けが確認されていない投票情報を議員の実名とともに公開した点を問題視し、増山氏に発信時の慎重な対応と再発防止を求めた。