輸出入とも過去最高を更新した日本の貿易動向
2026年度上半期の日本の貿易では、輸出と輸入の双方が大幅に増加した。財務省が10月21日に発表した4~9月の貿易統計速報によると、輸出額は63兆4570億円、輸入額は66兆2754億円となった。いずれも比較可能な1979年以降で最も大きい金額だった。
輸出は前年同期から18.4%増加し、半期ベースで12期連続のプラスを記録した。輸入も20.4%増加しており、2期連続で前年の水準を上回った。輸出入の伸びがともに2桁となる中、輸入の増加率が輸出を上回った。
この結果、貿易収支は2兆8184億円の赤字となった。前年同期の1兆4177億円から赤字額が大きく増加し、半期単位では11期続けて赤字を計上した。輸出の拡大が進む一方、輸入費用の増大が収支に影響した。
AI投資の拡大で半導体関連製品の海外需要が増加
輸出額の増加を支えた要因の1つが、世界的なAI関連投資の拡大である。AIの利用に必要な計算設備やデータセンターへの投資が進み、半導体関連製品の需要が高まった。これを背景に、日本からの電子部品や半導体製造装置の輸出が増加した。
地域別では、中国向けのICなど半導体関連部品が伸びた。半導体製造装置についても海外向けの出荷が好調となり、上半期の輸出総額を押し上げた。AIやデータセンター関連の投資動向が、日本の貿易統計にも反映された。
また、米国向けの自動車輸出も増加した。半導体関連製品と自動車の輸出拡大が重なり、輸出総額は前年同期を大幅に上回った。こうした製品の伸長が、12期連続となる輸出額の増加を支えた。
台湾製電子部品と米国産原油が輸入額を押し上げ
輸入面では、台湾からの半導体関連部品が増加した。日本からの半導体関連製品の輸出が伸びる一方で、海外からの電子部品の調達も拡大した。半導体関連品目は輸出だけでなく、輸入額の増加にも関わった。
さらに、米国からの原油調達が急増した。中東産原油の輸入数量が44.5%減少する中、米国産原油の輸入金額は前年同期の8.9倍に拡大した。米国からの原油輸入は、数量と金額の双方で過去最高となった。
原油全体では、輸入数量が21.2%減少したにもかかわらず、輸入金額は26.3%増加した。円建ての原油価格は1キロリットル当たり10万8605円と過去最高を記録した。中東情勢の緊迫化による価格上昇と円安が、輸入額を押し上げた。
対米貿易は黒字維持も原油調達増で黒字幅が縮小
米国との貿易では、日本の輸出が輸入を上回る状態が続いた。2026年度上半期の対米貿易黒字は2兆1224億円となった。ただし、米国からの原油輸入が増加したことなどを受け、黒字額は縮小した。
米国のトランプ政権による高関税政策の影響は和らいだものの、エネルギーの調達先を変更する動きが貿易収支に表れた。米国向けの自動車輸出が増加する一方、米国産原油の輸入も大きく伸びた。
対米貿易では、工業製品の輸出とエネルギー資源の輸入がともに増加した。中東からの原油調達減少に対応した輸入先の変更が、米国との貿易黒字を縮小させる要因となった。
9月の貿易統計にも輸出増と輸入負担の拡大が反映
9月単月の統計でも、輸出と輸入の双方が前年同月を大きく上回った。輸出額は10兆9723億円で前年同月比16.7%増、輸入額は11兆5088億円で18.9%増となった。いずれも9月として最高額を更新した。
一方、貿易収支は5365億円の赤字だった。赤字は5カ月連続となり、前年同月と比較した赤字幅も約2倍に拡大した。自動車などの輸出が増加したものの、原油や半導体関連部品の輸入拡大がそれを上回った。
上半期全体と9月単月の統計には、共通した動きが見られる。AI関連製品や自動車の輸出が伸びる一方、エネルギー価格の上昇や電子部品の調達増加によって輸入額が膨らんだ。輸出入額がともに過去最高を更新する中、日本の貿易収支は赤字が続く結果となった。