外国人旅行者の動向に地域ごとの違いが拡大
2026年9月の日本への外国人旅行者数は、国・地域によって対照的な結果となった。韓国や台湾からの訪日客が前年を大きく上回る一方、中国からの旅行者は4割以上減少した。
日本政府観光局が10月21日に公表した推計によると、9月に日本を訪れた外国人旅行者は310万3700人となった。前年の同じ月から16万人以上減少し、減少率は5%に達した。
全体では減少したものの、韓国とメキシコでは9月の訪日客数が過去最高となった。中国市場の縮小と他の国・地域からの旅行者の増加が同時に進み、訪日需要の違いが数字に表れた。
韓国からの訪日客が84万人を超え過去最高
韓国から日本を訪れた旅行者は、9月に84万2300人となった。前年同月と比較すると25.6%増加しており、国・地域別の訪日客数では中国や台湾を上回った。
韓国からの旅行者数は、9月として過去最多となった。外国人旅行者全体が前年を下回る中でも、韓国からの訪日需要は増加を続けている。
今回の統計では、韓国からの旅行者が前年同月より2割以上増加したことが確認された。中国からの訪日客が大幅に減る一方、韓国は84万人を超える規模となり、両国の動向に大きな差が生じた。
台湾は13%増加しメキシコでも最多を更新
台湾からの訪日客数も前年の同じ月を上回った。9月の人数は59万5600人となり、前年同月比13%増を記録した。
韓国と台湾はいずれも2桁の増加率となり、日本を訪れる外国人旅行者全体の減少とは異なる動きを示した。特に台湾は約60万人に達する規模となっている。
また、メキシコからの旅行者も9月として過去最高の人数を記録した。具体的な訪日客数や前年からの増加率は示されていないものの、日本への旅行人気が高まっている国の1つとなっている。
中国の渡航需要縮小が全体の数字を押し下げ
訪日客数の減少が特に大きかったのは中国である。9月に中国から来日した旅行者は43万800人にとどまり、前年同月比44.5%減となった。
減少の背景には、日本への渡航を控えるよう促す呼び掛けがあった。中国からの旅行者は前年の同じ月と比較して大きく減り、韓国や台湾とは反対の動きとなった。
中国の減少率は、訪日客全体の5%減を大幅に上回っている。韓国からの旅行者が25.6%増加し、台湾も13%伸びる中、中国市場の縮小が9月の訪日客数を押し下げる要因となった。
航空交通の混乱と訪日需要の地域差が表面化
9月の訪日客数には、国・地域別の旅行需要だけでなく、航空交通を巡る事情も影響した。中東情勢の悪化に伴う航空券価格の上昇や、台風による航空便の欠航が発生した。
こうした状況の下、訪日外国人客数は前年同月を下回った。しかし、韓国と台湾からの旅行者は増加し、韓国とメキシコでは9月の最高記録が更新された。
2026年9月の訪日市場では、中国からの旅行者の急減が全体の減少につながる一方、他の国・地域では前年を超える実績が確認された。航空運賃や運航状況の影響とともに、旅行者の出発地によって異なる動向が示された。