3か月ぶり追加利上げを視野に政策協議始まる
日本銀行は17日、金融政策決定会合を開始し、物価や景気、金融市場の状況について協議に入った。会合は18日まで行われ、現在1.0%程度の政策金利を1.25%程度へ引き上げるか最終判断する見通しとなっている。
実際に利上げが決まれば、前回の6月から3か月での追加措置となる。これまで利上げはおおむね半年程度の間隔で行われてきたため、今回の決定は物価上昇への対応速度を引き上げる動きとなる。
物価2%超えるリスクに日銀内の警戒強まる
追加利上げを検討する最大の背景となっているのが、物価上昇圧力の強まりだ。日銀は、基調的な物価上昇率が2%の目標に接近しているとの判断を強めており、食料品をはじめとする幅広い値上げを注視している。
加えて、中東情勢による原油価格の上昇や円安も輸入コストを押し上げる要因となっている。企業間で取引される商品の価格が高い伸びを続けているため、企業側の負担が今後、消費者向け価格へ波及することも想定されている。
金利1.25%なら1995年以来の高水準に到達
政策金利が1.25%程度まで引き上げられれば、日本の金利水準は1995年以来、31年ぶりの高さとなる。日銀が物価上昇の抑制を重視し、金融政策の正常化をさらに進めることになる。
今回特徴的なのは、物価がすでに上昇していることだけでなく、今後さらに伸びが加速するリスクを日銀が意識している点だ。政策委員の間では、原油高や為替の動きを踏まえると、物価上昇率が2%を大きく超える可能性への警戒を強める必要があるとの意見が増えている。
円安是正への効果は日米金利差残り不透明に
日銀の政策をめぐっては、米国のベッセント財務長官の発言にも市場の関心が集まっている。ベッセント氏は植田総裁の対応について繰り返し言及し、日本の低い金利が円安の背景にあるとの認識も示してきた。
市場では、米側が日銀に追加利上げを促しているとの受け止めも広がった。ただし、日銀が政策金利を引き上げても日米の金利差は残るため、それだけで円安傾向が反転するかは不透明となっている。
18日の総裁説明が次の金融政策を占う焦点に
会合最終日の18日には、日銀が政策金利をどうするか正式に決定する。その後に予定されている植田総裁の記者会見では、物価上昇リスクをどの程度重くみたのか、今回の政策判断に至った理由が説明される見通しだ。
同時に、市場は今後の利上げの間隔にも注目している。6月から3か月で追加利上げとなれば、政策調整の速度が変化したことになるためだ。円相場や長期金利の動向を含め、18日に示される日銀の政策姿勢が今後の金融市場を判断する重要な材料となる。