廃炉手続きでも新たな問題が明らかに
浜岡原子力発電所を巡り、中部電力で新たな不適切事案の疑いが浮上した。廃炉が進む1号機と2号機について、作業費用を外部機関へ請求する際、実際の状況より工程が進展しているような内容で処理した疑いがある。中部電力は内部で確認を進めており、調査で把握した事実を公表する方向で準備している。
今回対象となっているのは、廃止措置に必要な資金を管理する「使用済燃料再処理・廃炉推進機構」への費用申請だ。中部電力は作業の進捗などに基づいて費用を請求し、機構から支払いを受けている。この過程に適切でない処理が含まれていた疑いがあり、経済産業省も会社側から詳しい報告を受ける方針を示している。
再稼働審査では耐震関連データに不正
浜岡原発では、今回とは別に3号機と4号機の再稼働に向けた国の審査を巡り、安全性に関係するデータの不正が明らかになっている。原子力規制委員会による審査の中で扱われる耐震設計関連の情報に問題が確認され、中部電力の原発事業を巡って複数の事案が続く状況となっている。
さらに2025年には、浜岡原発の安全対策工事の一部で、正式な契約変更や費用の精算を行わないまま手続きを進めていた問題も判明した。今回の廃炉費用に関する疑いは、それらに続いて明らかになった。再稼働を目指す設備と廃炉中の設備の双方で、管理や手続きに関する問題が表面化した形だ。
1・2号機は2040年代前半までに廃炉へ
浜岡原発には5基の原子炉があり、中部電力は1号機と2号機について2008年に廃炉とすることを決定した。耐震対策に大きな費用が必要になることなどを踏まえた判断で、2009年の運転終了後から廃止措置を進めている。現在の計画では、2040年代前半までに2基の作業を完了させるとしている。
廃止措置は4段階で進行している。2009年以降は使用済み核燃料の搬出や原子炉の状況確認を行い、2016年からはタービンなど周辺機器の撤去を実施した。その後は原子炉本体の解体に移り、2036年度以降には建屋などを解体する最終工程に入る計画となっている。
原子炉解体が進む中で費用処理を確認
2号機では2025年3月、商業用原発として国内で初めて原子炉本体の解体に着手したと発表された。同年10月からは1号機についても原子炉部分を取り除く工程が始まっている。廃炉計画が重要な段階へ進む中、その事業費を請求する手続きについて確認が必要な状況となった。
中部電力が進めている調査では、これまでどのような処理が行われていたかを確認している。会社側は調査開始時期を公表していないが、判明した内容について速やかに説明する考えを示している。現段階で、不適切な処理が行われた範囲や具体的な費用額は示されていない。
相次ぐ事案受け中部電力の説明に注目集まる
浜岡原発では、再稼働を目指す3号機、4号機の審査関連と、廃炉中の1号機、2号機の費用処理という異なる分野で問題が明らかになっている。加えて、安全対策工事に関する契約・精算上の不備も既に判明しており、中部電力には一連の経緯を整理した説明が求められる。
経済産業省は今回の廃炉費用に関する事案について詳細を確認する予定で、中部電力も調査結果を公にする方針だ。1号機と2号機では今後も長期間にわたって解体作業が続く。廃炉計画の進行と並行して、費用管理を含む各種手続きがどのように行われてきたのかが今後の確認事項となる。