補助金基金は7月末時点で2100億円まで減少
ガソリン価格を抑える補助制度の継続に伴い、政府は財源の確保を急ぐ。補助金の原資となる基金は当初約1兆1600億円だったが、7月末時点で約2100億円まで減少した。中東情勢の悪化による原油高が長期化する中、現在の支援水準を維持すれば基金の減少が続くため、政府は追加の財源措置に踏み切る。価格抑制策を途切れさせないため、既存の予算枠を活用して基金の枯渇を回避する方針だ。補助の継続には相応の財政負担が伴うものの、政府は急激な値上がりが家計や企業活動に及ぼす影響を重く見て、追加支出を選択した。
中東情勢等対応予備費を活用し財源を積み増し
高市早苗首相は25日、2026年度補正予算に盛り込まれた「中東情勢等対応予備費」を活用し、ガソリン補助の財源を追加すると明らかにした。政府はレギュラーガソリンの店頭価格を1リットル当たり170円程度に抑える現在の目安を9月以降も維持するため、必要な資金を確保する。原油価格の先行きを見通しにくい状況が続いていることから、支援を縮小して支出を抑えるよりも、当面の価格安定を優先する判断となった。予備費の投入により、現行制度を継続できる財政基盤を補強する。首相は中東情勢がなお不透明で、原油価格の見通しを立てにくいとの認識を示しており、財源面でも一定の余力を持たせる対応となる。
赤沢経産相に追加財源の規模確定を指示する方針
首相は赤沢経済産業相に対し、補助を続けるために必要な財源の積み増し規模を固めるよう指示した。具体的な追加額は示されていないが、基金残高が当初から大幅に減っていることを踏まえ、今後の支給に支障が出ないよう対応する。制度は3月、中東情勢の悪化に伴って原油価格が急騰したことを受けて始まった。石油元売りに補助金を支給し、レギュラーガソリンの販売価格が170円近くとなるよう調整する仕組みで、8月17日時点では補助前の約187円に対し、店頭価格は169.8円だった。補助によって政府の目標とする170円程度に収まっており、追加財源の確保はこの水準を維持するための前提となる。
価格目安の変更と補助終了は情勢見極めて判断
政府内では、財政負担を軽減するため、価格目安を170円程度から175円へ引き上げて補助額を縮小する案が一時浮上した。自民党幹部からも支援水準を見直すよう求める意見が出ており、制度の出口をどう設定するかが課題となっていた。一方で、中東情勢がさらに悪化すれば原油価格が再び急騰する恐れがあるため、政府は今回、目安の引き上げを見送った。高市首相は、今後の価格基準や補助そのものの終了について、情勢が経済に与える影響を見ながら柔軟に判断する考えを示した。
財政負担と原油高リスクの両面をにらむ対応
政府は当面、財源を追加しながら170円程度の価格目安を維持する一方、補助を恒久的に続ける方針は示していない。首相は国民生活と経済活動への影響を抑える必要性を強調しつつ、出口戦略については中東情勢と原油価格の推移を確認して検討する姿勢を取る。補助後の国内ガソリン価格については、日米欧の中で日本が最も低い水準にあると説明している。今後の政府対応は、残る財源の状況を管理しながら、価格抑制の必要性と財政面の負担をあわせて判断する形となる。現段階で補助の終了時期は明示されておらず、制度の縮小や終了は情勢の変化を踏まえて決める。