プーチン氏の対日批判に日本政府が明確な反論示す
ロシアのプーチン大統領が日ロ関係悪化の責任を日本側に求めたことについて、日本政府は明確に反論した。木原官房長官は2日の記者会見で、現在の厳しい日ロ関係はロシアによるウクライナ侵略によって生じたとの認識を示した。日本側に責任があるかのようなプーチン氏の主張については、受け入れることはできないと強調した。
プーチン氏はキルギスで記者団に対し、日本側が関係を悪化させたと主張していた。日本による対ロシア制裁を念頭に置きながら、ロシアは関係悪化につながる行動を取っていないとの立場を示しており、原因を巡る両国の説明は正面から食い違っている。
択捉島訪問を巡り日ロ双方の立場の違い浮き彫り
対立を改めて表面化させたのが、プーチン氏による8月13日の北方領土・択捉島訪問だ。プーチン氏にとって初めての択捉島訪問となり、日本政府はこれに抗議した。高市首相も強い姿勢を示し、ロシア側の行動を認めない立場を明確にしている。
これに対しプーチン氏は、日本側の抗議について予想外ではなかったと説明した。その上で、日本のロシアに対する政策全体を問題視し、関係悪化を招いたのは日本側だと批判した。領土問題そのものに加え、現職ロシア大統領による島への訪問を巡っても双方の主張が対立している。
北方4島解決と平和条約締結の基本方針を維持へ
木原官房長官は、北方4島の帰属問題を解決し、ロシアとの平和条約締結を目指す日本政府の基本方針に変更はないと表明した。日ロ関係が厳しい状況にある中でも、領土問題への取り組みを続ける姿勢を改めて示した。
一方、プーチン氏も平和条約を巡る問題について、ロシア側には日本と議論する用意があったと主張している。日本国民による島々への訪問など、人道上の課題についても解決を図ろうとしていたと説明した。ただ、交渉が停滞した原因については、日本とロシアで認識が大きく異なっている。
中断する北方墓参の早期再開へ働きかけ継続方針
日本政府は、政治的な対立が続く中でも北方墓参の再開を重要課題としている。北方墓参は、北方領土の元島民やその家族が先祖の墓を訪れるための取り組みだが、現在は中断している。木原官房長官は、人道上きわめて重要な問題だとして、早期再開に向けてロシア側への働きかけを続ける考えを示した。
プーチン氏も日本国民による島々への訪問に言及し、ロシア側には人道的な問題を解決する意思があったと説明している。関係悪化の原因を巡って激しく対立する一方、人道面の問題については双方がそれぞれ対応姿勢を示している。
複数の懸案抱える中で対ロ関係の管理が重要課題に
木原官房長官は、ロシアが日本の隣国であることを踏まえ、2国間関係を適切に管理していくことが重要だと述べた。日本の国益に何が資するかという観点から今後も対応する方針で、領土問題や墓参再開への取り組みを継続する。
一方、ロシア外務省のザハロワ報道官は、陸上自衛隊が米国、オーストラリア両国の陸軍と8日から24日に実施する予定の共同訓練を巡り、在ロシア日本大使館に対抗措置を取ると警告したことを明らかにしている。北方領土、平和条約、対ロ制裁に加え、安全保障分野でも摩擦が続く。日本政府には、基本的な立場を維持しながら複数の懸案に対応していくことが求められる状況となっている。