ホルムズ海峡の通航問題が首脳協議の焦点
高市早苗首相は8月10日、オマーンのハイサム国王と電話で約20分間協議し、緊迫する中東情勢への対応を話し合った。米国とイランの対立が続く中、ホルムズ海峡で船舶が円滑に航行できない状況が主要テーマとなった。首相は会談終了後、首相官邸で記者団の質問に応じ、オマーン側に伝えた日本政府の考えを説明した。
日本側が重視したのは、新たな費用を課されることなく船舶が海峡を通過でき、安全性と自由な移動が確保される環境を早期に取り戻すことだった。高市首相は、こうした状態の回復が重要だとの認識をハイサム国王に示した。海峡の運航を取り巻く現在の問題について、速やかな改善を求めた。
イランと協議するオマーンの役割に注目
オマーンはホルムズ海峡の南側にあり、海峡を隔ててイランと向き合っている。通航を巡る問題についてもイラン側との交渉を行っており、中東情勢への対応で重要な立場にある。今回の電話会談では、ハイサム国王からイランとの協議がどのように進んでいるかについて説明があった。
高市首相はオマーン側の対イラン協議だけでなく、より多くの国を交えた話し合いが必要だとの立場を示した。特に、実際にホルムズ海峡を利用している国々を含めて意見を交わすよう求めた。国際社会の幅広い意思を通航問題への対応に反映することを要請したものとなる。
オマーン側は各国の意思尊重する姿勢示す
ハイサム国王は高市首相の要請を受け、ホルムズ海峡を利用する各国と話し合うことを約束した。通航に関係する国々が示す意見についても尊重する考えを伝えた。オマーン側がイランとの交渉と並行して、利用国との対話にも取り組む姿勢を明らかにした形だ。
日本側にとっては、ホルムズ海峡の問題を関係する複数の国が参加する形で扱うことを求めた会談となった。高市首相は、国際社会と十分に協議する必要があるとの考えを国王に伝えている。国王の回答は、日本側が求めた対話拡大に応じる内容となった。
核問題など米イラン間の懸案解決も議題
首相は電話会談で、中東地域の緊張そのものを早期に緩和する必要性にも言及した。ホルムズ海峡での通航問題に加え、米国とイランの関係を巡る諸課題についても着実に対応することが重要だとの認識を示した。中東情勢全体の安定を視野に入れた協議となった。
高市首相は、米国とイランが交わした覚書に沿って、核問題などの課題を着実に解決していく重要性を強調した。ホルムズ海峡の通航問題への対応と中東情勢の安定化を同時に進める必要があるとの考えを示した。会談では、海上交通の正常化や核問題を含む幅広い課題について意見が交わされた。
日・オマーンが4月から続く連携を再確認
高市首相とハイサム国王による電話協議は今回が初めてではない。両首脳は2026年4月にも中東情勢について話し合い、地域の沈静化を目指して協力する方針で一致していた。8月10日の会談は、その後も続く緊張を踏まえて再び行われた。
今回、日本側はホルムズ海峡を利用する国々との協議をオマーンに求め、オマーン側も対話を進める意思を示した。中東の安定化を目指す従来の協力関係に、海峡通航を巡る具体的な論点が加わった形となる。両首脳は、米国とイランの対立や海峡の運航環境を巡る状況を踏まえ、引き続き連携する姿勢を示した。