全国の局数を維持し運営方法を転換
日本郵便は、全国に配置する郵便局の数を保ちながら、窓口の開設日や営業時間を見直す。郵便局を閉鎖して拠点を減らすのではなく、利用状況に合わせて営業方法を変えることで、地域サービスの継続と経費削減を両立させる。小池信也社長が7月23日、取材に対して方針を説明した。
全国の郵便局は、簡易郵便局を含めて約2万4000局に上る。このうち、日本郵便が直接運営する局は約2万局となっている。同社は地域社会を支えるインフラとして局網を維持しつつ、それぞれの地域に適した営業形態へ移行する。
地域需要に応じて窓口の開設日を調整
窓口運営の新たな選択肢として、特定の曜日だけ営業する指定日営業が検討されている。導入された局では、平日であっても窓口を閉める日が設けられる。需要に合わせて営業日を調整し、人員配置の効率化につなげる。
指定日営業の対象は、全国一律に決められるものではない。日本郵便は各地の需要を調べ、窓口の利用実績や地域の事情を基に導入の可否を判断する。局を残しながらサービスの提供方法を変える点が、今回の見直しの中心となる。
昼間の1時間休止を直営局の半数へ
指定日営業に先行する形で拡大するのが、窓口に昼休みを設ける取り組みだ。現在は約2400局で、日中の1時間だけ窓口を閉じている。日本郵便は今後3年間で導入局を1万局に増やし、対象を約4倍へ広げる。
1万局は、直営局全体のおよそ半数に相当する規模だ。昼休み中は窓口での受け付けを停止する一方、局そのものは従来通り地域に残る。職員が少ない局でも交代要員を増やさず休憩時間を確保できるため、限られた人員での運営が可能になる。
半日営業など少人数運営の取り組み進展
営業時間を柔軟に設定する取り組みは、すでに一部で始まっている。直営局のうち5局では半日営業を採用し、窓口を開ける時間を1日の一部に限定している。昼休みを取り入れている局と合わせ、従来の終日営業とは異なる運営方式が広がりつつある。
小池社長は、少ない人数でも業務を回せるような工夫を進めていると説明した。営業時間を限定すれば、業務量が少ない時間帯の配置を抑え、必要な時間に職員を集中させられる。指定日営業は、こうした効率化を営業日単位へ広げる施策となる。
通信手段の変化に対応し事業継続へ
日本郵便が窓口体制の再編を進める背景には、郵便物を取り巻く環境の変化がある。電子メールやSNSの普及により、手紙などを扱う郵便事業は厳しい収益状況に置かれている。窓口業務でも、従来と同じ人員配置を続けることが負担となっている。
同社は、来年度に手紙などの郵便料金を引き上げることも検討している。料金改定の検討と並行して、昼休みや指定日営業を取り入れ、運営費を抑える体制づくりを進める。全国の拠点を維持しつつ、地域ごとの利用に合わせた持続可能な郵便局運営への転換を目指す。