650万人到達が示す国内写真SNSでの存在感
写真SNS「BeReal」の日本国内利用が拡大している。運営するフランスBeReal社は6月16日、日本国内の月間アクティブユーザー数が650万人を突破したと発表した。前年同期から約150万人増え、約30%の成長となった。
BeRealは、1日1回ランダムに届く通知に合わせて写真を投稿する仕組みを採用している。スマートフォンの前面と背面のカメラで同時に撮影するため、利用者本人と周囲の状況が同じ投稿に反映される。編集機能を持たない点も特徴で、作り込まない日常を共有するSNSとして利用されている。
企業と大学生世代を結ぶ広告接点が拡大する動き
利用者構成を見ると、Z世代が全体の92%を占めている。18~23歳だけで54%に達しており、大学生世代が利用者の中心となっている。こうした年齢構成は、若年層向けの広告を展開する企業にとって重要な接点となっている。
広告出稿企業は累計300社を超えた。業種は小売、食品、家電、金融、エンターテインメント、アパレル、美容など多岐にわたる。住信SBIネット銀行やよみうりランドの出稿事例も示されており、企業が大学生世代に向けて接触する媒体として活用を広げている。
公式アカウント活用で利用場面がさらに広がる
広告だけでなく、ブランドや著名人による公式アカウントの活用も進んでいる。アーティスト、俳優、スポーツ選手、クリエイターなど300人以上が参加している。サービス内で企業や著名人が利用者と接点を持つ動きが広がっている。
13~17歳の利用者は前年同期比で25%増加し、18~22歳も20%伸びた。若年層を中心とした成長は続いている。利用者数の拡大に加え、企業や著名人の参入が進むことで、BeRealは個人同士の写真共有にとどまらない利用へ広がっている。
即時投稿機能が生む情報漏えいリスクが表面化
一方で、BeRealの仕組みは情報管理上のリスクも伴う。通知を受けた利用者が、その場で前面と背面のカメラを使って撮影するため、周囲の画面や書類が投稿に含まれる可能性がある。職場や学校で利用した場合、機密情報や個人情報が写り込む懸念がある。
実際に、4月には西日本シティ銀行の行員が投稿した動画に行内の機密情報が写り、Xで拡散した。仙台市の小学校教員が「Google Classroom」のパソコン画面を撮影して共有した問題も発覚した。即時性を重視するUIはサービスの特徴である一方、利用場所によっては情報漏えいにつながる。
利用拡大と管理強化の両立が今後の課題に
BeRealは、若年層を中心に国内で大きく利用を伸ばしている。650万人の月間アクティブユーザーを抱え、広告出稿企業や公式アカウントの参加も増えている。大学生世代を中心とした利用者基盤は、企業にとっても重要な発信先となっている。
ただし、サービスの成長は情報管理の課題と切り離せない。撮影の即時性や編集機能のない設計は、自然な投稿を生む一方で、撮影環境への注意を必要とする。職場や学校での利用において、写り込みを防ぐ意識と管理体制の徹底が求められる局面となっている。