米裁判所がSNS運営方法そのものに是正要求
米ニューメキシコ州の裁判所が8月6日に出したメタへの命令では、5億6700万ドル、約900億円の支払いに加え、未成年者向けサービスの運用方法を幅広く変更するよう求めた。対象となるのは、同社が運営するフェイスブックやインスタグラムなどだ。
裁判では、SNS利用が子どもの精神的な健康に及ぼす影響に加え、未成年者が犯罪者と接触する危険を十分に防げていたかが争点となった。裁判所は、こうした問題がオンライン上だけにとどまらず、家庭や学校など現実社会にも影響を及ぼしていると判断した。
13歳未満の利用者情報をサービスから削除へ
今回の命令では、13歳未満の利用者に対する厳格な措置も示された。裁判所はメタに対し、13歳未満が使用するアカウントを削除し、それらを通じて取得した個人情報も全て消去するよう命じた。
単に新規利用を制限する内容ではなく、すでにサービス側が保有している情報まで対象としている点が特徴となる。ニューメキシコ州側は、子どもの安全確保には利用者の年齢に応じた管理を企業側が実施する必要があると訴えてきた。
10代は非公開設定と通知停止を標準化
18歳未満の利用者には、時間帯に応じた通知制限が求められた。学校がある平日は午前8時から午後3時まで、さらに午後10時から翌午前7時までは、プッシュ通知を停止する必要がある。未成年者の利用時間について、SNS事業者側に具体的な制御を課した形だ。
ニューメキシコ州内の10代の利用者については、アカウントを自動的に非公開にすることも命じた。加えて、大人との接触を厳格に管理する措置も求められている。利用者自身が設定を変更することを前提とせず、初期状態から保護を強める対応が盛り込まれた。
チャット型AIの未成年者保護にも対応要求
裁判所が規制対象としたのはSNSの投稿やメッセージ機能だけではない。メタが提供するチャット型AIについても、ニューメキシコ州の利用者が恋愛関係や性的な内容のやり取りを行わないようにする対策を求めた。
メタがSNS以外にもAI機能を拡大する中、裁判所は新しいサービスについても利用者保護が必要との判断を示した。未成年者を巡る安全対策が、アカウント管理や通知機能だけでなく、AIとの会話にまで広がったことになる。
約1500億円規模の負担にメタは控訴へ
メタを巡っては、2026年3月の陪審評決ですでに法的責任が認められている。陪審は、同社が不当で欺瞞的な慣行などを意図的に続けたと判断し、3億7500万ドルの制裁金を命じた。今回の5億6700万ドルと合わせると、支払い規模は日本円で約1500億円に達する。
メタは裁判所の判断に反発している。同社は10代の利用者をオンライン上で保護してきた実績があると説明し、州側の主張に引き続き反論すると表明した。今回の判断についても控訴する方針を示しており、未成年者保護を巡る州側とメタの法的対立は継続する。