通期業績予想をそろって上方修正
パナソニックホールディングスは7月30日、2027年3月期の連結業績見通しを引き上げた。営業利益は当初計画から400億円増額し、5900億円を見込む。1984年度に記録した5757億円を上回り、42年ぶりに過去最高額を塗り替える見通しとなった。
売上高の予想は従来計画に2000億円を加え、7兆8000億円へ変更した。純利益も4200億円から4500億円へ300億円引き上げた。前期の純利益は1895億円で、修正後の計画では前期比約2.4倍となり、3期ぶりの最高益を見込む。
データセンター投資が需要を拡大
業績予想を押し上げた主要因は、生成AIの普及を背景とするデータセンター関連投資の増加である。計算処理を支える施設の整備が世界各地で進み、パナソニックHDが展開する複数の製品分野で需要が拡大した。蓄電システムに加え、電子部品や製造装置などの販売環境も改善している。
AI関連の需要は特定の部門だけでなく、グループ内の幅広い事業に波及した。データセンターの運営に必要となる電力設備や部品への需要が増え、通期計画の見直しにつながった。会社側の当初想定を超えるペースで市場が伸びている。
電子部品と電池事業が成長を主導
電子部品などを手がけるパナソニックインダストリーは、AI関連売上高を3100億円と見込む。これは期初に示した計画を400億円上回る水準である。データセンター投資の広がりにより、関連部品や設備の需要が増加した。
パナソニックエナジーでは、データセンター向けを中心とする電池事業の売上高を5500億円と予想する。前期と比べて約7割の増加となる見通しで、連結業績を支える成長分野の一つとなった。蓄電需要の拡大が、エネルギー関連事業の収益規模を押し上げている。
4~6月期は利益率も大幅改善
同日に公表した2026年4~6月期の連結売上高は、前年同期比6.4%増の2兆189億円だった。純利益は89.2%増の1351億円となり、前年同期から大きく伸びた。通期予想の増額は、第1四半期の進捗とAI関連需要の拡大を反映したものとなる。
収益性を示す売上営業利益率は、前年同期の4.6%から9.0%へ上昇した。売上高の増加を上回るペースで利益が拡大し、採算面でも改善が進んだ。第1四半期の利益成長が、年間計画の達成に向けた基盤となっている。
構造改革と成長市場が業績支える
パナソニックHDは前年度、人員削減を含む構造改革を進め、不採算事業の見直しにも取り組んだ。和仁古明最高財務責任者は、収益性の低い分野を例外なく改革した効果が現れたとの認識を示した。事業構造の改善とAI関連市場の成長が重なり、利益予想の引き上げにつながった。
2027年3月期は、売上高、営業利益、純利益のすべてで従来計画を上回る見込みとなった。中でも営業利益は、約40年前の最高記録を超える水準に達する計画である。AIを支えるインフラ需要と改革効果が、グループ全体の業績を押し上げる構図が鮮明になった。