料金支援の終了で10月から負担が急拡大
10月使用分の電気・都市ガス料金が、大手各社でそろって上昇する。電気は大手10社で前月比835~1578円の値上がりとなり、すべての会社で過去最高の水準に達する。都市ガスも大手4社で435~744円上昇し、エネルギー料金の負担が一段と増える。
大幅な上昇につながった要因の1つが、7~9月使用分を対象に実施されていた料金支援の終了だ。夏には1キロワット時当たり3.5~4.5円の補助が適用され、標準的な家庭では月1500~2000円程度の負担軽減につながっていた。10月使用分からこの値引きがなくなり、本来の料金が請求額に反映される。
東京電力9561円など各地域で最高水準
平均的な家庭の10月使用分は、北海道電力が1万552円、東北電力が9690円、東京電力が9561円、中部電力が9647円となる。北陸電力は7970円、関西電力は8251円、中国電力は9158円、四国電力は9372円、九州電力は8115円、沖縄電力は1万752円となる。
前月からの上昇額が最も大きいのは沖縄電力の1578円で、中部電力も1492円、東北電力も1486円増加する。最も小さい北陸電力でも835円の上昇となる。各社が想定する平均的な使用量が異なるほか、火力、原子力、水力、太陽光などの発電構成の違いも料金差につながっている。
中東情勢による燃料高が発電コストを圧迫
電気料金の上昇には、発電に必要な燃料の値上がりも影響している。WTI原油先物は1バレル90~100ドル程度で推移しており、中東情勢が緊迫する以前の60ドル前後と比べて高い水準にある。火力発電で大きな割合を占めるLNGの価格も上昇した。
燃料価格は、LNG、石炭、石油の輸入価格を基に算出する「燃料費調整制度」によって料金へ反映される。10月使用分では6~8月に輸入された燃料の平均価格が対象となる。東京電力の場合、この制度による変動だけで一般家庭の料金が122円増加した。
人件費や資材高騰で送配電費用も上昇
電気を送るためのコスト増加も家計に波及する。送配電網の利用料に当たる託送料金は、資材価格や人件費の上昇を受け、北陸電力を除く9社で11月1日から引き上げられる。各社は増加分を電気料金に転嫁しており、燃料費とは別の押し上げ要因となった。
電気料金は2022年、燃料費の高騰を受けて大幅に上昇した。その後は料金支援によって7000円台、さらに6000円台まで下がった時期もあったが、2024年には8000円台の月が増え、2025年には一時9000円に達した。2026年も8000円台が中心だったが、10月使用分では東京電力で前月から1200円以上上昇する。
ガスも全社値上げで冬のエネルギー負担増
都市ガスでは東京ガスが744円増の6488円、大阪ガスが572円増の6902円、東邦ガスが553円増の7118円、西部ガスが435円増の6932円となる。都市ガスの原料でもあるLNGの輸入価格上昇に加え、料金支援の終了が重なったことで4社すべてが値上がりする。
電気やガスの料金を左右する燃料価格は、国際情勢やエネルギー政策、為替相場などの影響を受ける。夏の冷房需要が減少する時期に入った一方、冬には暖房によってエネルギー使用量が増加する。10月から家計負担が大きく上昇するなか、燃料価格の変化が今後の料金水準を左右する。