複数の買収提案が進む中で資本関係を整理へ
カカクコムを巡る買収の動きが続く中、同社とKDDIは9月28日、両社の資本提携を解消すると発表した。2018年8月から続いてきた資本面での契約を終了し、KDDIによるカカクコムの経営への関与を定めた取り決めを見直す。
両社は、現在進行しているTOBを含む資本構造の変化や、カカクコムの今後の経営方針について協議を続けてきた。その結果、資本提携を円満に解消することで一致した。
EQTによる買収発表受けKDDIは全株売却決定
カカクコムの資本を巡る状況が大きく動いたのは2026年5月だった。欧州系投資ファンドEQTがカカクコムの買収を発表し、カカクコムも買収提案に賛同する方針を示した。
これを受けてKDDIは5月、保有するカカクコム株をすべて売却することを決めた。その後、LINEヤフー連合もカカクコムに買収を提案し、EQTとの間で同社の買収を巡る動きが展開されている。
取締役受け入れなど経営に関する取り決め終了
資本提携の解消によって、KDDIが指名する取締役候補をカカクコム側が受け入れることなど、両社が資本提携契約で定めていた合意は効力を失う。組織再編などの重要事項について事前通知を行う枠組みも取りやめとなる。
KDDIからカカクコムに派遣されていた社外取締役については、すでに6月開催の定時株主総会終了時に退任している。KDDIは買収の行方が定まらない状況で、カカクコムの経営にこれ以上影響を及ぼすことは望ましくないとして、資本関係の整理を決めた。
株式17.70%を保有し第2位株主は維持へ
資本提携契約が終了しても、KDDIによるカカクコム株の保有状況が直ちに変わるわけではない。提携解消の時点では、KDDIが持つ発行済み株式17.70%の比率は維持される。
このため、KDDIは引き続きカカクコムの第2位株主に位置する。一方で、資本提携契約に基づく取締役候補の指名などの仕組みはなくなり、株式保有と経営に関する契約上の関係が切り分けられる。
資本面を切り離し事業上の協力関係は継続へ
両社は資本面の契約を終了する一方、業務上の協力を続けることで合意している。新しいサービスの共同開発と提供を進めるほか、インターネット広告やデジタルマーケティング事業でも協業・連携を継続する。
2018年から続いた関係は、資本と業務を組み合わせた形から、事業面での協力を維持する形へと変わる。カカクコムは今回の資本提携解消について、2027年3月期の連結業績に与える直接的な影響は軽微としている。