中東情勢対応の予備費から追加財源6160億円確保
政府は9月1日、燃料価格の上昇に対応するため、2026年度予算の予備費から6160億円を支出することを閣議決定した。中東情勢の悪化を受けて上昇した原油価格への対応を継続するための財源措置となる。
政府は3月からガソリン、軽油、重油などを対象に燃料価格の急激な上昇を抑える支援を行っている。今回の支出には、2026年度補正予算で確保した2兆5000億円の「中東情勢等対応予備費」を使用する。支出後の予備費残高は1兆8839億円となる。
基金6136億円を積み増し燃料価格対策を維持
6160億円のうち6136億円は、燃料価格を抑える支援の財源となる基金への積み増しに使われる。政府はこの基金を活用し、ガソリンなどへの価格対策を継続する。
ガソリンについては、全国平均価格を1リットルあたり170円程度に抑える措置を維持する。政府は原油価格上昇による家計負担だけでなく、輸送や事業活動などへの影響も抑える必要があるとしている。中東情勢の先行きが見通せない中、現在の支援を継続できるだけの財源を確保した形だ。
航空燃料は国内線重視へ転換し国際線支援を終了
航空機燃料への補助については、支援対象の配分を変更する。政府は国際線向けの支援を終了する一方、国内線に対する補助額を引き上げることを決めた。
木原官房長官は、国民生活との関係が深い国内線への支援を重点化するための対応だと説明している。燃料費への補助を一律に維持するのではなく、必要性を踏まえて対象を絞り込む。燃料価格対策全体を続けながら、分野ごとの支援内容については見直しを進める方針が示された。
タクシー事業者にはLPガス向け補助を継続実施
LPガスを利用するタクシー事業者への支援については、従来の措置を継続する。政府は約24億円を補助に充てる方針で、ガソリンを燃料として使用する事業者との支援面での整合性も考慮した。
政府の燃料価格対策は、一般のガソリン利用者だけでなく、燃料費の影響を受ける事業者も対象としている。LPガスを使用するタクシー事業者についても既存の支援を維持することで、燃料価格上昇による事業負担を抑える対応を続ける。
支援継続と並行して制度終了の時期や単価も検討
政府は今回、追加財源を確保して燃料価格対策を継続する一方、支援制度を今後どのように終了するかについても検討を進める。赤沢経済産業相は、中東情勢が物価や経済に及ぼす影響を確認しつつ、支援単価や措置の出口を含めて柔軟に対応する考えを示した。
木原官房長官は、中東情勢がなお不透明で原油価格の先行きを見通すことが難しいため、国民生活と経済活動に支障が生じないよう必要な経費を確保したと説明した。政府は現行支援を当面維持しながら、原油価格や経済状況の変化に応じて支援内容や終了時期を判断していく。