AI拡大で東芝の主要事業が成長
東芝の2026年4~6月期決算では、AI普及を背景としたデータセンター関連需要が本業の成長につながった。グループ全体の売上高は9371億円となり、前年同期から27.0%増加した。営業利益も1119億円まで伸び、前年同期のおよそ2.8倍となった。
AIサービスの利用が広がるにつれ、大規模なデータ処理を担う施設の整備が進んでいる。こうした施設では大量の電力供給やデータ保存設備が必要となるため、東芝が手がける複数の製品・設備への需要増加につながった。エネルギー関連を中心に事業環境が改善した。
データセンター向け送配電設備が好調
特に伸びたのが、データセンターなどで利用される送配電関連設備だ。AI処理を行うデータセンターは多数のサーバーを稼働させるため、大量の電力を安定して供給する設備が欠かせない。施設の新設や能力増強に伴う需要が、東芝のエネルギー事業を押し上げた。
送配電設備に加え、火力発電関連の事業も好調だった。電力関連分野の伸びが売上高と営業利益の増加に寄与し、東芝の本業の収益改善につながった。AI市場の成長が、IT分野だけでなく電力インフラにも波及していることが数字に表れた。
ハードディスク需要も収益拡大に寄与
データセンターの増加は、情報を保管するストレージ分野にも影響を与えた。東芝が手がけるハードディスクについても需要が伸び、業績拡大を支える一因となった。AIの普及により処理されるデータ量が増えるほど、保存容量を確保する設備も必要になる。
今回の決算では、データ保存と電力供給という異なる領域の双方でデータセンター関連需要の恩恵が表れた。売上高が前年同期比で約4分の1増えたほか、営業利益の伸び率は売上高を大きく上回った。本業の利益水準が大幅に改善した形となる。
キオクシア株上昇で最終利益も急増
本業の成長に加え、保有資産の価値上昇が最終利益を一段と押し上げた。東芝の4~6月期の最終利益は4兆4673億円となり、前年同期のおよそ30倍に達した。これはキオクシアホールディングス株の評価益などが大きく増えたことによる。
キオクシアでは、データセンター向けメモリ需要が拡大する中で株価が上昇した。東芝は現在、同社株の15.1%を保有しており、株式の売却益や評価益などとして6兆3294億円を計上した。結果として、3カ月間の純利益だけで東芝の従来の通期最高益を上回った。
AI需要が複数の収益源に波及
2026年4~6月期の東芝決算は、AI関連市場の拡大が複数の形で業績に反映された。データセンター向け送配電設備やハードディスクなどの販売が伸びたことで、本業の営業利益が増加した。同時にメモリ需要の拡大を背景としたキオクシアの株価上昇が、保有株式の評価を高めた。
売上高9371億円、営業利益1119億円という事業面の成長に、株式関連の巨額利益が加わったことで、最終利益は4兆円を超えた。本業と保有資産の双方にデータセンター需要の拡大が影響し、東芝の4~6月期業績を大幅に押し上げる結果となった。