広告事業が伸び過去最高売上高
米メタが7月29日に公表した2026年4~6月期決算は、主力の広告事業が成長し、売上高が前年同期比28%増の608億100万ドルとなった。四半期として過去最高の水準に達し、同社が運営するSNSを通じた広告収入の拡大が続いた。広告単価の上昇も増収を支える要因となった。
一方、最終的な利益は売上高と異なる動きとなった。純利益は158億4800万ドル、約2兆5900億円にとどまり、前年同期から14%減少した。広告収入の拡大によって大幅な増収を確保したものの、研究開発や法的問題に関連する支出の増加を吸収できなかった。
AI開発競争で研究費67%増加
利益を押し下げた要因の一つが、AI分野における研究開発費の急増だった。メタの研究開発費は前年同期から67%増え、他のIT企業との開発競争に対応するための支出が拡大した。AI技術の開発だけでなく、SNS上のサービスへ関連機能を導入する取り組みも進められている。
マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者は電話会見で、傘下SNSにおけるAI活用への投資が成果につながっているとの認識を示した。メタは広告事業を主要な収益源としながら、AIを利用してサービスや広告機能を強化している。売上高の増加と研究費の拡大が同時に進み、成長投資が利益を圧迫する決算となった。
訴訟関連費用24億ドルを計上
メタは4~6月期に、訴訟に関係する費用として24億ドルを計上した。この負担に加え、人員削減に伴う支出も発生し、広告事業による増収効果を弱めた。複数の一時的な費用が重なったことで、売上高が過去最高を更新する中でも純利益は減少した。
同社は米国で複数の裁判に直面しており、結果によっては大きな損失が生じる可能性があると説明している。現時点で計上された費用に加えて、今後の判断によって負担が変化する余地が残る。法的問題への対応は、研究開発と並んで収益に影響する重要な要素となっている。
若年層を巡り規制当局が監視強化
メタのSNSを巡っては、若い利用者への影響に関する問題を背景に、各国の規制当局が監視を強めている。こうした環境の中で、同社は米国を中心とする複数の法的手続きへの対応を迫られている。今回の訴訟関連費用も、事業を取り巻く規制上の負担が財務面に及んだものとなる。
広告事業は引き続き高い成長を示しているが、SNS運営企業として求められる対応も増えている。利用者保護に関する問題は、サービス運営だけでなく、訴訟費用や将来的な損失にも関係する。収入の伸びと法的負担が並存する点が、今回の決算の特徴となった。
増収と減益が示す費用構造の変化
メタの4~6月期決算では、広告事業の成長によって売上高が28%増え、四半期として過去最高を記録した。その一方で、AI開発競争に伴う研究費の増加や訴訟関連費用、人員削減に伴う支出が重なり、純利益は14%減少した。増収と減益が同時に生じたことで、同社が抱える費用負担の大きさが明確になった。
AIへの投資はSNSの機能や広告事業を強化する目的で進められており、経営側はすでに成果が表れていると説明している。ただし、研究開発費は67%増加し、法的問題への対応にも24億ドルが必要となった。広告収入の成長を維持しながら、開発費と訴訟関連支出をどのように管理するかが、今後の収益構造を左右する要素となる。