中東情勢受け燃料支援を再開
政府の燃料価格抑制策で、2026年3月分の補助支出が合計約1800億円となった。経済産業省が明らかにしたもので、補助の財源となる基金残高は4月末時点で約9800億円に減少した。中東情勢の緊迫化に伴う価格上昇を抑えるため、政府は3月19日の出荷分から激変緩和措置を再び実施している。
補助は石油元売り各社に支給され、小売段階での価格上昇を抑える形で運用される。対象はレギュラーガソリンに限られず、軽油、重油、灯油にも同額の補助が行われている。さらに航空機燃料についても、ガソリン向け補助額の約4割に相当する支援が設定されている。
店頭価格を170円水準に抑制
制度の中心となる目安は、全国平均のレギュラーガソリン小売価格を1リットル当たり170円程度に保つことにある。市場価格がこの水準を超える場合、政府が上回る部分を補助することで、消費者が支払う価格の急上昇を緩和する。燃料費は家庭の移動費だけでなく、物流や産業のコストにも関係するため、広い分野に影響が及ぶ。
補助金は、石油元売り各社の販売実績に基づき、翌月に支払われる。今回公表された3月分の支出は4月に実行され、4月末時点の残高に反映された。支給の仕組み上、補助再開から一定期間を経て財源の減少額が明らかになる。
1800億円支出で残高が減少
補助財源の基金は、当初約1兆1600億円あった。3月分の支出として約1800億円が使われた結果、残高は約9800億円となった。短期間で大きな支出が発生したことから、今後の価格動向と制度継続に必要な財源が注目されている。
政府は既存の基金だけでなく、2025年度予算の予備費から8000億円を繰り入れて財源を確保している。補助制度は価格上昇を抑える効果を狙う一方、燃料価格が高止まりすれば支出額も増えやすい。対象燃料が多岐にわたることも、基金残高に影響を与える要因となる。
民間試算では6月枯渇の見方
今後について、民間の試算では5月中に支払われる4月分の補助を加味した場合、6月には基金が枯渇するとの見方がある。経済産業省は現時点で具体的な見通しを示していない。今後の対応については、補助制度の趣旨を踏まえながら適切に判断するとしている。
基金の減少ペースは、燃料価格の水準や販売量、補助対象の広がりに左右される。中東情勢の影響が続けば、燃料価格への警戒が長引く可能性がある。政府の支出状況は、制度の持続性を判断するうえで重要な指標となる。
価格安定と財源確保の両立へ
3月分の支出額が約1800億円となったことで、燃料価格対策に必要な財政負担の大きさが改めて示された。4月末時点で基金には約9800億円が残っているが、補助が続けば残高はさらに減少する。価格安定を図る政策目的と、財源を確保する課題の両立が求められる。
政府はレギュラーガソリンを1リットル当たり170円程度に抑える方針のもと、元売り各社への支援を続けている。経済産業省は先行きに関する具体的な数値を示していないが、制度の目的を踏まえた対応を行うとしている。今後は、4月分以降の支出額と基金残高の変化が政策判断の焦点となる。