ユーロドルは節目割り込み下落基調一段と鮮明に
10月5日の外国為替市場ではユーロ売りが強まり、ユーロ/ドルが1.12ドルを割り込んだ。先週木曜日には1.13ドル台を下抜けており、短期間で主要な水準を相次いで割り込む展開となった。午後3時時点のユーロ/ドルは1.1192~1.1193ドルで、午前9時の1.1254~1.1255ドルから大幅に下落した。
ニューヨーク市場の前週末終値は1.1253~1.1254ドルだった。週明けの東京市場ではフランスの財政を巡る懸念がユーロの不安定な動きにつながり、対ドルだけでなく対円でも下落が進んだ。ユーロ/円は午前9時の177.53~177.54円から午後3時には176.66~176.67円となった。
RSI17.3とボリンジャー下限接近が示す急落
テクニカル指標でもユーロ/ドルの下方向への勢いが明確になった。14日間のRSIは17.3まで低下し、一般に売られ過ぎの目安とされる30を大幅に下回った。現値1.1190ドルは、21日間のボリンジャーバンド2σ下限である1.1188ドルに接近している。
10日移動平均は1.1333ドルにあり、現値から143ポイント上方に位置する。さらに21日移動平均は1.1448ドル、100日移動平均は1.1508ドル、200日移動平均は1.1607ドルとなっており、主要な移動平均線はいずれも現在の相場より高い水準にある。下降局面が短期間で進行した状況が数値にも表れている。
ユーロの上下動がドル円にも波及し値幅拡大
ユーロの急激な値動きはドル/円にも影響した。ドル/円は午前の仲値後、ユーロ/円の下落に伴って157円台半ばまで弱含んだ。その後、午前終盤にドル買いが急速に強まり、158円台を回復するなど方向が頻繁に入れ替わった。
午後に入っても変動は続いた。ロンドン市場でユーロを買い戻す動きが入るとドルが押され、ドル/円は午後3時前に157円台後半へ再び下落した。午後3時時点では157.83~157.87円となり、前週末のニューヨーク市場終盤の157.83~157.88円と近い水準まで戻った。
五・十日の実需と所信表明が円相場の材料に
東京市場ではユーロ以外の要因もドル/円を動かした。5日は五・十日に当たり、仲値の決定に向けて輸入企業によるドル買いが入り、朝方のドルを支えた。一方、同日に臨時国会が召集され、高市早苗首相の所信表明演説を控えていたため、円安に関する政策側の発信も意識された。
演説内容が伝わった午後2時ごろ、158円台前半だったドル/円は158円付近へ上値を切り下げた。高市首相は「責任ある積極財政」の下で経済成長を重視すると同時に、財政規律への配慮も示した。消費税減税の財源を特例公債に頼らず確保する方針も示されたが、具体的な財源への言及はなく、為替相場の反応は限定された。
売り加速後のユーロ日足の形状に市場の焦点
ユーロ/ドルでは1.13ドル台、続いて1.12ドルという節目を下回り、下降方向への勢いが強まった。一方、RSIが17.3まで低下し、ボリンジャーバンド2σ下限にも接近しているため、短期間の売りが大きく進んだ状態となっている。テクニカル面では、10月5日の日足の形状が次の値動きを判断する材料の1つとなる。
日足で長い下ヒゲが形成されれば、下落後に買い戻された形が明確になる。一方、5日の市場ではユーロ売りと買い戻しがドル/円にも連鎖し、円相場そのものも157円台半ばから158円台まで振れる展開となった。ユーロの下降基調と急速な売られ過ぎが同時に進み、その変動が主要通貨全体へ波及する相場となった。